株式会社スキマッチングを設立しました

20P108008515年12月1日、株式会社スキマッチングを設立しました。

(写真は、コワーキングスペース8Beatの仲間たちに創業お祝いをしてもらっているところです。)

長い会社生活の間、先輩や仲間に恵まれ、経験も積むことができました。

その会社を昨年退職したのは、このタイミングで新しいことにチャレンジしたくなった、ということがあります。約7年~10年刻みで、仕事の内容を劇的に変えてきた、ということもあり、またそういう時期が来たと感じました。

ネガティブな観点としては、そのまま会社にいることのリスクが耐え難いほど大きいと感じたことがあります。現在の日本では、超高齢化社会にすごいスピードで突入しつつあるのに、60歳以降、現役で働き続けるための制度改革が追いついていない、というのが現状だからです。

起業、というとリスクをとって挑戦というイメージがありますが、この年齢層に限って言うと、むしろ、起業したほうがリスクが少ない、今の制度の下でそのまま働き続けることのリスクが極めて大きい、と感じています。

ポジティブな観点としては、米国のベンチャー企業との仕事を通して、チャレンジ精神に憧れがあり、最後の挑戦のチャンス、と思ったことがありました。

大企業時代、新規事業開発をする部署にいたこともあるのですが、小規模のビジネスでは、事業として採算性があっても採用されることはありませんでした。企業の論理的には、それは正しい判断、と納得はしていたのですが、オリのようにたまった思いというのはずっとありました。

私が、シリコンバレーのベンチャーといっしょに仕事していた時期は、何億円という資金が必要だったのですが、その後、クラウドが充実して、起業に必要な資金が劇的に下がりました。また、仕事のやり方もかわってきて、いわゆるフリーエージェント的な働き方や、チームの作り方が可能になってきました。こういった環境の変化があり、起業するハードルがぐっと下がった点も一つの要因となりました。

昨年会社を退職してから、近くのコワーキングスペースを仕事場として、次のステップを検討していく中で、次に自分が挑戦したいことや、社会に影響を与えたいことが次第にはっきりとしてきました。

自分のバックグラウンドであるIT技術、新規事業開発経験を活かし、ネットXリアルで、高齢化社会の問題、地域の課題にソリューションを提供したい、というものです。

上記の理念のもと、8つほどビジネスプランを考えてはシミュレーションし、他の人に意見を聞いてダメ出しをし、ということを繰り返し、やっとしっくりしたビジネスプランにたどりつき、12月に会社を創業するに至りました。

この過程では、いろいろな人との出会いがありました。

私は、「犬も歩けば棒に当たる」理論というのをもっています。

今まで、まったくの素人から始めて、なんか動き回っている間に、いろんな人と出会ったり、ネットで偶然、情報を得たりということが重なって形になってくる、というのを今まで何度も経験してきました。今回も、コワーキングスペースをベースにいろんな人と繋がり、イベントに参加している間に、数か月前にはまったく思ってもみなかった地点に来ていました。

起業するだけなら誰にでもできるので、これからが正念場です。事業とは思い通りにいかないもので、ピボットを重ねて当初の理念を達成するための長い旅に、やっと出航した、ということでしょう。

もう一つ、私の指針に、「やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいい」ということがあります。

この年齢となると能力がフィットしているところもあるし、衰えている能力もあり、これから伸ばすのはしんどいというところもあります。そういった諸々を考えても、最後に起業に踏み出したのは、「やらないで後悔するより、やって後悔したほうがいい」というポリシーに従う、ということでした。

会社の名前は「スキマッチング」。

やりたいことは、いろいろあるのですが、リーン・スタートアップでいきます。今まで、失敗も山ほどしてきているので、失敗を教訓として、社会にイノベーションを与えられるような仕事をしていきたい。

日本は、超高齢化社会に世界でいち早く突入するので、この解決策をビジネスモデルとして世界に輸出したい、というかけ声はいいのですが、実態は、そんな呑気な状況ではないと思います。

地域密着だけど、ビジネスの手法は、グローバルな標準を持ち込みたい。経済がグローバル化していくことは、避けられないからです。

それで、いつの日か、シリコンバレーのいいとこころは取り入れつつ日本にあった起業スタイルの事例になれれば、と思っています。

出会った多くの人々に感謝しつつ、設立の思いとして。

株式会社スキマッチング ファウンダー&CEO 岩渕真人